知っているようで知らないマメ知識!お寺の絵馬について

絵馬と聞くと「ああ、あれね!願いごとを書くやつでしょ?」とすぐ頭に出てくる人は多いでしょう。実際に書いたことがある人も少なくないはず。しかしいつから絵馬は存在していたのか?そもそもなぜ馬なのか?そこまで詳しく知っている人は、それほどいないのではないでしょうか。

ここではそんな、知っているようでじつは知らなかった絵馬に関するマメ知識をご紹介します。ぜひ最後までお読み頂ければ幸いです。

絵馬とその書き方

合格祈願や健康祈願などの願いごとをするとき、もしくは願いが叶ったときのお礼に捧げる、馬の絵が描かれた木の板のことを絵馬といいます。

小型のものが多く東日本では家の形、近畿では四角形が主流です。価格は500円から1000円が一般的で、基本的に願いごとや名前は絵が描かれていない裏面に書きます。意外と悩む人が多い書き方ですが、縦書きでも横書きでもどちらでもかまいません。また、ひとつの絵馬に複数の願いごとを書いても問題はないとされています。ただし書きすぎると仏様に欲張りな人間だと思われるかもしれませんので、ほどほどに。「~しますように」という願いの形式で書きましょう。

仏様が絵馬を見てどこの誰なのかがわかるように、本来は生年月日・住所も書きます。しかし近年では他人の絵馬を勝手にSNSなどに載せて面白がるような人もいるのだとか。なので、プライバシーの問題からイニシャルだけでも可能です。保護シールなどが用意されている所もあるそうですよ。お寺で用意してもらえる筆記用具は、雨で濡れても大丈夫なように油性ペンであることが多いです。

じつは意外と知られていないのが、願いごとを書いていない絵馬は持ち帰ってもいいということ。記念に持ち帰った場合は、神棚などの目線より高い位置に飾るといいでしょう。願いごとを書いた場合はきちんと奉納してくださいね。ちなみに絵馬を購入した場所とは違う、他のお寺や神社に奉納しても問題ありません。

絵馬の由来

では次に、なぜ絵馬には馬という字が入っているのでしょうか。

古代の風習では、天皇は神様に生きた馬を献上していました。なぜ馬なのかというと、馬は神様の乗り物「神馬」として神聖視されていたからです。しかし毎日のように高価な馬を献上できるのは天皇やごく一部の有力者のみ。庶民が同じことをするには厳しく、平安時代では絵に描いた馬や、木・土などで作られた馬を代わりに献上するようになりました。これが現代の絵馬の由来であると考えられます。

古くはここぞという願いごとのために高価な馬の献上をしていましたが、時代の流れとともにどんどん簡略化されていきます。室町時代ではすでに小型の絵馬が存在し、江戸時代になると「家内安全」「商売繫盛」を願い庶民たちの間でも絵馬が流行していきました。なかには葛飾北斎などの有名な絵師が描いた絵馬も存在していたのだとか。

絵馬発祥の地は京都の貴船神社。平安時代の歴代天皇は雨乞い・雨止みを祈願する習わしがあり、日照り続きのときは黒い馬、長い期間雨が続いたときは白い馬を奉納していました。この習わしが絵馬の原型であり、貴船神社には今でも黒と白の馬の像が祀られています。

現代の絵馬

昔は馬が描かれていなければいけなかった絵馬。しかし現代の絵馬は、アニメキャラクターや馬以外の動物・干支など、絵や形状は多種多様で個性的。その場所にゆかりのあるものが絵馬のデザインになっており、奉納されているものを眺めているだけでも楽しいです。

絵馬を書くうえで最も大切なのは、ただ何も考えずに書くのではなく心をこめて書くこと。そうすることで願いがちゃんと仏様に届くかもしれません。そして願いが叶ったときは、必ずお礼参りをするようにしてくださいね。

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