仏教における一切皆苦とは

一切皆苦(いっさいかいく)とは人生は思い通りにならないこと、と言われています。全てが苦しいというイメージの文字ですが、人生そんなことはないと思います。もちろん楽しいこと、嬉しいこともあります。

すべての人が経験する8つの苦しみについて説明します。

・生苦(しょうく)

人は生きていくために働いてお金を稼ぎ、食べ物や住むための家を確保していきます。時には、他人と競争することになります。煩悩により心身を乱すことも多く、生きることは苦しみがあるということです。

・老苦(ろうく)

年をとる苦しみです。年をとれば、体力も落ちます。外見も変わります。

・病苦(びょうく)

病気の苦しみです。風邪やインフルエンザは、なってしまうと苦しいです。重大な病気なら心身ともに、大きな苦しみです。

・死苦(しく)

人は、いつか死ぬという苦しみです。死を意識する時は、心身ともに大きな苦しみです。

ここまでの4つで四苦(しく)と言われています。

・愛別離苦(あいべつりく)

別れる苦しみです。友人、愛する人、お気に入りの、ぬいぐるみ。別れる時があり、心身ともに大きな苦しみです。

・怨憎会苦(おんぞうえく)

会いたくない人や物と会わなければならない苦しみです。嫌味な人、顔を合わせるのも嫌な人と会ったり、とても危険で行きたくない場所に行かなければならないなど苦しいです。

・求不得苦(ぐふとっく)

求めるものが得られない苦しみです。欲しいものがあるけど、お金がないので買えない。気になる異性がいるけど、仲良くなれない。欲望は限りないです。求めるものが得られても次々に続きます。

・五陰盛苦(ごおんじょうく)

五蘊があることによる苦しみです。5つの色・受・想・行・識(しき・じゅ・そう・ぎょう・しき)です。

色は、形あるものです。人間の肉体などです。

受は、肉体的、生理的な感覚です。視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚、知覚のことです。

想は、ものごとを思い描く心のはたらきです。

行は、目的を思い浮かべて、それを実現するための意志です。

識は、ものごとを見分け、判断することです。

後半の4つを足して四苦八苦(しくはっく)と言われています。人生は四苦八苦ばかりかというと、そんなことありません。一切皆苦を意識してバランス良く生活することが大事だと思います。

※お寺、宗派によって考え方は変わります。

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