もくじ
近年、終活や先祖供養をしていく中で、管理や費用面などのトラブルが相次いでいます。それらは親戚間で起こることが多いようです。それらの問題を解決できる方法や機関を知っておくだけでも、いざという時助けになります。
今回は、お墓に関する親戚間のトラブル内容とその対処方法について解説していきます。
よく起こるトラブル
まずはどのようなトラブルが起こるのか知っておきましょう。3つに分類してご紹介していきます。
どのお墓に入るか
一つ目にご紹介するのが、「誰がどのお墓に入るか」という問題です。これはお墓にまつわるトラブルで最も多い問題でもあります。
現在、家制度の崩壊で夫婦別姓や女性の社会進出が進んできました。そのため、夫婦でお墓を分けることもしばしば。例えば、「死んでまで夫と一緒に居たくない」、「舅や姑との関係が悪く、夫の家族と同じ墓に入りたくない」、「縁も所縁もない土地ではなく、思い入れのある実家の方に入りたい」といった理由が挙げられます。
以前は、「妻は夫に従うもの」とされ、妻が夫のお墓に入るのは絶対でしたが、男女平等がうたわれるようになり、個人の自由が尊重され始めています。そのため、意見が食い違うとトラブルの元になってしまうのです。
墓じまい・移転・改葬
次にご紹介するのが、お墓の撤去・移転・改葬に関してです。
お墓の所有者が親戚に相談することなく、勝手にお墓を動かしてしまうこともトラブルに繋がります。
日本には祖先供養の伝統があり、特にご高齢の方は家系の繋がりを大切にします。納骨を予定していない親戚でもお墓参りに来ていたり、逆にお参りをしていないのにも関わらず、墓じまいや移転、改葬のことになると関与してくる方もいます。
特に改葬は、一つ目でご紹介した問題とも被りますが、個人的な意見が対立する原因となりますので、慎重に行わなければなりません。
管理・後継者問題
最後にご紹介するのが、後継者問題になります。霊園を歩いていると、手入れされずに荒れ果てているお墓を見かけることがあります。
後継者がいない場合のお墓は、「無縁墓」として霊園や墓地の管理者によって撤去されてしまいます。無縁墓になる基準は霊園や墓地によって異なりますが、「管理費を3年以上滞納している」等お金の面で基準を設けることが多いようです。
管理者を若くしてなくなってしまった場合やお墓のある場所が遠方で頻繁に行けない、そもそも継ぐ子供がいないという方は無縁墓にしないためにしっかりと対策を取っておくことが必要です。
対処・解決方法
お墓にまつわる3つの親戚トラブルをご紹介してきましたが、ここからはその対処法をご紹介していきます。と言っても、一番大切なことは親戚や家族間で話し合いの場を設けることです。
どのような問題に直面しているのか、自分はどうしたいのかしっかり把握しておくことが重要です。
身内だけでは収拾がつかないという時は、弁護士や行政機関に相談することをおおすすめします。弁護士が担当するのは裁判や調停だけではなく、話し合いや交渉、手続きなどを本人に代わって進めてくれます。
また、弁護士や行政機関に相談が多く寄せられる問題の中に、相続税に関してがあります。お墓は「祭祀財産」として相続されるため、通常、相続しても税金はかかりませんが、祭祀道具によっては相続税の対象になります。相続するものが対象なのかどうか税理士などの行政に確認しておきましょう。
どの問題についても、事前にしっかりと準備しておけば回避できることが多いです。安易に考えず、自分のお墓にも関心を持っていきましょう。時には親戚の話に耳を傾けることも大切です。納得のいく形で話を進めていきましょう。