来迎寺の歴史を教えてください。
来迎寺は、源氏や徳川家に縁のあるお寺です。
寛治 2 年(1088 年)に東荘大友城の城主である上総介常将が荘内平山に一寺を開創して祈願所としたのが来迎寺のはじまりだと言われています。
その後、建久 9 年(1198 年)に貝塚村の聖地釈迦堂に移転しました。その際に名僧明恵高弁上人を招いて開山したと言い伝えられています。
来迎寺は、源頼朝・源頼家・源実朝の三代将軍の供養塔や徳川家康公の御養女であった「おふうの方」の墓所があることでも有名です。
現在でも境内には源氏や徳川家にまつわる遺跡が残っています。竹林に囲まれた静寂の地で、800年以上の歴史を感じてみてはどうでしょうか。
菩提寺とはどんなお寺ですか?
菩提寺(ぼだいじ)とは、自身の先祖代々のお墓があるお寺のことを指します。別名「氏寺」と呼ばれていたこともありました。サンスクリット語で「悟り」や「目覚め」という意味を持っています。
元々は、「近しい肉親がお釈迦様のように悟りを得て目覚めることができるように」という願いを込めて建てられたお寺のこと言っていましたが、現在は身内のお墓があり、葬儀や法要を執り行う場所として機能しています。
菩提寺に似ているものに「檀家寺」がありますが、檀家寺はその名の通り、自分が檀家でその寺院にお布施をしてさまざまな活動を支えている場合に使います。
来迎寺の宗派は何ですか?
来迎寺では、浄土宗の儀礼に則って葬儀や法事を行なっています。浄土宗といえば、総本山の「知恩院」が有名ですよね。
法然上人が見出した浄土宗の教えは、「南無阿弥陀仏」とお念仏を称えることによって老若男女関係なく、極楽浄土に往生することができる、というものです。
お念仏には「お十念」という作法があり、称え方が決まっています。「なむあみだぶ」と4遍称え、息を継いでもう4遍称えます。そして、もう一度息を継いで9遍目だけ「なむあみだぶつ」と発声し、最後の10遍目は「なーむあみだぶ」とゆっくり称えながら頭を下げます。
お念仏には、ご先祖様への供養の気持ちも含まれています。日々の習慣として心掛けていきましょう。
香取市指定文化財が多くありますが、教えてください。
歴史でも少し説明しましたが、来迎寺には香取市指定文化財が多くございます。
来迎寺のホームページで詳しく紹介しておりますので、ぜひご覧ください!
年中行事にはどのようなものがありますか?
浄土宗には、「御忌会(ぎょきえ)」という行事があります。「御忌」とは、天皇や皇后の命日に行われる法要です。
浄土宗を説いた法然上人が建暦2年(1212年)1月25日に80歳で往生されたことから、1月に毎年御忌が行われるようになりました。しかし、大寒の時期であるため、明治10年頃から陽春の4月に日程が変更されました。
その他、浄土宗には10月から11月にかけて行われる十夜会(じゅうやえ)という独自の行事があります。
十夜は、法蔵菩薩が阿弥陀仏という仏様になられたことをお祝いするとともに、その教えに対する感謝の気持ちを表す法要のことを指します。
日々忘れがちな感謝の心を改めて思い起こす時間となることでしょう。
また、国民的行事として知られている「お彼岸」や「お盆」などの行事も執り行っています。