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昨今、耳にするようになった「マインドフルネス」。一度は聞いたことがある方も多いはずです。このマインドフルネスという言葉で注目されたのが座禅。今回は「マインドフルネス」「座禅」この2つの効果について解説していきます!
「マインドフルネス」とは?
簡単に説明すると「今、この瞬間に集中すること」=雑念を持たず、リラックスをして今だけに集中し、研ぎ澄まされている状態の事です。まさに座禅と近い状態を指します。
最新の脳科学では「集中力UP」「自律神経回復」「ストレス解消」などの効果が実証されており、日本でもTVや雑誌などで注目を浴びています。
マインドフルネスは、日本だけでなく、世界で注目されています。マインドフルネス瞑想として医療の分野で始めに取り入れられ、その後アップルやグーグルなどの大企業の社員研修の一環として導入した事により、世界中での知名度が上がっていきました。
あの有名なiPhoneの生みの親、スティーブ・ジョブズも「禅」に興味を持ちお寺で修行をしたことがあるとか!?最近では、プロスポーツ選手たちのトレーニングの一つとしても取り入れているそうですよ。
現代人はあれこれ考えすぎ!
スマホなどで簡単に情報が入るようになった現代では、自然と多くの情報を頭の中に入れています。さらに、頭の中では不安や否定、恐怖、評価、過去の事など、場合によってはどうでもいい事など常に考え続けている状態になっていることがあります。人は自分では気付かないうちにあれこれ余計なことを考えているのです。
そうした状態の中では、事実が見えなかったり、ストレスが溜まっていく一方。そんな中でマインドフルネスとは、意識的に精神状態を改善する行為です。以下でやり方を説明していきます。参考にしてみてください。
マインドフルネス瞑想のやり方
代表的なやり方は5種類あるといわれています。呼吸瞑想・歩行瞑想・食べる瞑想・慈悲の瞑想・ボディスキャン瞑想です。
それぞれやり方をご紹介していきます。
呼吸瞑想
呼吸瞑想は椅子に座って行うことが多いです。椅子に座って、目を閉じ、呼吸に意識を向けましょう。息づかいや温度を感じ、胸やお腹が膨らんでいる感覚を覚えましょう。雑念が入ったら、再び呼吸に意識を戻すことを忘れないでください。
歩行瞑想
歩きながら身体の感覚を感じる瞑想です。足の動きやかかとの衝撃、手の動きにも注目してみましょう。先程と同じように雑念が入ったら、再び身体の感覚に意識を戻すのです。リセットすることで気持ちも軽くなりますよ。
食べる瞑想
食べる行為も一つ一つの動作に意識を向ければ、いつもとは違った新たな発見ができます。まずは食べ物を観察してみましょう。これから食べる料理はどんな形をしているのだろうか、食感や味はどんな感じなのか想像してみてください。
そして、食べ物が口に運ばれた時の感触をしっかりと味わいましょう。食べ物だけでなく、箸が舌に触れる感触や温度にも注目してみてください。中でも食べる瞑想はダイエット効果も期待できると言われています。いつもより集中して食べるので、満腹感も感じられるのでしょう。
慈悲の瞑想
思いやりの気持ちも芽生える「慈悲の瞑想」。この瞑想をすることで人間関係も上手くいきやすいのだとか。やり方は、身近にいる人や大切な人の幸せを願うだけです。人の幸せを願うことで自分自身も幸せになっていきます。心もぽかぽかと温まる瞑想方法ですよ。
もし、雑念や邪念が入ってしまったら、一度深呼吸をして再び瞑想をしましょう。きっと気持ちが切り替えられているはずですよ。
ボディスキャン瞑想
ボディスキャン瞑想は仰向けになって行います。寝る前に行うのがおすすめです。頭からつま先までの神経を順番に感じていきます。仰向けになり、準備が整ったら、まず、つま先に意識を向けてみましょう。つま先の温度や布団の触り心地、体の重さを感じていきます。
次に深呼吸をし、つま先まで届けましょう。息を吐く時もつま先から体の中心を通って、鼻を抜けるようなイメージで行います。呼吸は2,3回行います。つま先ができたら、今度はかかと、ふくらはぎ、膝、太もも、お腹、手、顔、頭と順番に上げていきましょう。
ボディスキャン瞑想は肩こりにも効果があるとされているので習慣にすると良いですよ。
ここまで5つの瞑想方法をご紹介してきましたが、これらはやり方はとっても簡単ですが、続けるのは意外と難しい作業です。頑張ってやるのではなく、当たり前の習慣として続けていくためにも、瞑想は1日1回30分程度からはじめていくことをおすすめします。身体全体に集中が出来るようになれば時間を伸ばしていきましょう。
座禅とマインドフルネス瞑想の違い
結局、マインドフルネス瞑想と座禅。同じように感じますが差は何なのでしょうか?
まず、座禅とは座布団の上であぐらをかき姿勢を但して無念無想の境地で精神統一を行うことを指します。調身、調息、調心と言われ、姿勢、呼吸、心を整えるのが座禅の基本です。
座禅中に邪念が入ったり、眠くなったり、姿勢を崩したりすると僧侶に肩をたたかれてしまいます。このことを警策と呼んでいますが、罰するために叩いているわけではありません。集中力が途切れたり、眠気が襲ってきた人に注意と励ましを送っているという意味が込められています。
叩く時も不意にぶたれるわけではなく、合図をしてからお互いに礼をしてから叩きます。自ら合掌をして叩いて頂くことが一般的です。叩く位置も肩の骨が当たらない場所や肩胛骨の上など考慮されています。あまり痛みを感じることはありせんので、怖がらなくても大丈夫です。むしろ、じんわりと温かみを感じることもあるとか。
一方でマインドフルネス瞑想は叩かれないものの、やり方は同じよう見えます。瞑想するという行為自体は同じですが、実は本質が異なります。
マインドフルネス瞑想では、ストレス解消、気持ちの安定を保つなどメリットを求めて行います。一方で座禅は、仏教の修行を行う者たちの動機。利益を求めて行うのではなく、お釈迦様と同様の苦行に取り組むというのが座禅の本質になります。そのため、マインドフルネス瞑想では座り方は決められていませんが、座禅では結跏趺坐(けっかふざ)か半跏趺坐(はんかふざ)のどちらかで座らなければなりません。
結跏趺坐は両足を組む座り方です。右の足を左ももにのせ、次に左の足を右ももに乗せます。半跏趺坐とは片足を組む座り方。です。右の足を左ももの下に入れ、左の足を右ももに乗せます。
とはいっても、マインドフルネスとして注目を浴びた座禅。行為や効果としては同じもの。マインドフルネスで重要なのは、「今に集中すること!」です。座禅も無になり集中することで同じ効果が得られます。
情報が多すぎるこの時代に、疲れてしまった方は一度座禅やマインドフルネス瞑想をしてみませんか?