もくじ
観光や、パワースポット巡りに行った際、寺院などに出向く方も多いかと思いますが、正しい参拝方法はご存知ですか?
基本の参拝方法を押さえて、正しい参拝を行いましょう!
参拝というと、二拝二拍手一拝を思い浮かぶ方もいるかと思いますが、この参拝方法は神社でのお詣りです!
ここでは寺院での参拝のキホンをご紹介!
お寺で拝む対象は仏様です。神社との違いを抑えて失礼のないよう参拝をしましょう。
参拝のキホンの流れ
1:山門をくぐる
2:手と口を清める
3:撞木(しゅもく)をつく
4:線香・ロウソクをお供え
5:いよいよ参拝
1:山門をくぐる
お寺では山門が入り口となります。ここから参拝がスタートしますので、気を引き締めていきましょう。
入口の前で帽子などは外し、きちんと服装を整え軽く一礼し山門をくぐります。敷居はまたいで入るのがマナー。踏まずに渡りましょう。また、参道の真ん中は仏様の通り道となっているため、必ず端を歩くよう気を付けてください。
また時に「山門」は「三門」と呼ばれることがあります。寺院の本堂に行くまでには通らねばならない三つの門があり、それらを空門・無相門・無作門と言います。その三解脱門を略して「三門」と言っています。
寺院の歴史を遡り、初期の頃の門構えは南に正門、東西に副門が2門あったとされています。それらを総称して三門と呼んでいたそうです。時代が進むにつれ、それぞれの門は左右に脇門が付属する「大門」として一箇所にまとめられていましたが、大門のみが残った現在でも三門という呼び名がそのまま受け継がれています。
2:手と口を清める
本堂での参拝の前に水で身を清める必要があります。これを手水と言います。手水をおこなう建物のことが「手水舎(ちょうずしゃ)」です。手水舎は一般的に寺院の入り口や参道、社殿の脇に設置されています。
手水舎の中央部分には水をたたえた桶の「水盤」が設けられ、手前に柄杓(ひしゃく)が置かれているので、柄杓に水を入れ、手を洗い、口をすすぎます。(お寺によっては、手水舎がない場合もあります。その場合は、先に進みます。)
龍の口から水が流れ出る手水舎ですが、その由来は龍が水を司る神様として崇められていたからだとされています。寺院や神社によっては龍以外に、ウサギや亀のモチーフが使われていることも。どんなモチーフが使われているかでその寺院や神社の特色を知ることができますよ。
清める手順
①右手に柄杓を持って左手に水をかけて清める。
②左手に柄杓を持ち直し、右手に水をかけて清める。
③柄杓を右手に持ち直し、左の手のひらに水を少しため、口をすすぐ。
④左手に水を掛けて清め、柄杓を垂直に立てて残りの水を柄杓の柄に流し、元の位置に戻す。
手水が終わった後、ハンカチなどで手を拭くか否か悩まれる方も多いようですが、「ハンカチNG」とされていない限り手を拭くようにしましょう。
衛生的にも寺院を汚さないためにも拭いた方が良い場合もあります。また、手水を終えたら、髪の毛や顔などを触らないように心掛けることも大切です。せっかく清めた手が一瞬で汚れてしまいます。トイレに行った場合も改めて手水を行うことを行うようにしましょう。
3:撞木(しゅもく)をつく
撞木とは寺院に置いてある鐘のことです。撞木は仏様の声とも言われています。そのため、鐘には仏様の名称が刻まれていますよ。本堂参拝前に仏様へ挨拶をする意味で鐘を鳴らしてください。
もともと、お寺の鐘が時間を知らせるためについていました。また、集会や行事毎の合図として使われていたため、お寺によっては、自由に鐘をつけない場合があります。鐘をつく際は事前にお寺に確認をとるようにしましょう。大晦日やお正月は自由につける寺院がほとんどです。
鐘を撞く際は静かに行うのがポイントです。参拝後に鐘を撞く行為は「戻り鐘」といわれ、縁起が悪いので避けてください。せっかくの功徳も消えてしまいますよ。
4:線香・ロウソクをお供え
本堂近くに燭台(しょくだい)と香炉(こうろ)が用意されている場合、参拝前にお線香・ロウソクで献灯・献香を行ってください。お線香は仏様へのお供え物であると同時に、ご本尊と人々の心をつなぐための橋渡しという役目があります。またロウソクは人々を照らす仏様の光の象徴とされているのです。
献灯は世間の闇を明るく照らし、仏様に正しい方向へ導いてもらうための行為。
献香は仏様をもてなす為・身を清める為に行います。
本数は宗派によって異なります。特に指定がない場合は1本で大丈夫です。火をつける時は、お寺の火種か持参のライターで付けます。他の参拝者のロウソクや参考から火をもらう行為は「もらい火」と呼ばれ、他人の業(罪や悪いもの)をもらい受けると言われており、NG行為となるので注意してください。次の参拝者のため、ロウソクは奥から、線香は真ん中におくのがマナーです。
防火のためお供えできないお寺もあるので、燭台と香炉がない場合は省きましょう。
5:いよいよ参拝
残るは参拝です!本堂へ行ったら、一礼してからお賽銭を静かに行います。
お寺でのお賽銭は、仏様にお金をささげ、金銭への執着を捨てるという修行の一つの行為となります。ここで言う修行は金額の大きい小さいではありません。ただ、お賽銭の額にも意味がありますので、ここで代表的なものをご紹介しておきます。
- 5円 :ご縁
- 11円 :いい縁
- 20円 :二重に縁
- 25円 :二重にご縁
- 115円 :いいご縁
- 415円: よいご縁
- 485円 :四方八方ご縁
また、お寺は赤い硬貨が良いとも言われています。つまり、5円玉、10円玉、お札です。先程も言ったように額の大きさではないので、身の丈に合った金額をお供えするようにしましょう。
また、白い硬貨・赤い硬貨・穴の空いた硬貨をそれぞれ1枚ずつ組み合わせるのも効果的です。仏様に思いが届きやすくなると言われています。白い硬貨とは1円玉、100円玉、500円玉のこと。穴の空いた硬貨とは5円玉、50円玉のことです。
お賽銭を入れたら、鰐口(わにぐち)を鳴らしましょう。鰐口は魔羯大魚という海中に生息する巨大な魚形の動物のことを表しています。鰐口を鳴らすことで魔障を退治させることができます。寺院では三回鳴らします。神社では二間違えないように回なので注意してくださいね。
鰐口は鐘と同じく、仏様への挨拶にあたる行為なので、優しく鳴らすのがマナー。鰐口がない場合はそのまま参拝をします。
姿勢を但し、目を閉じて静かに合掌します。合掌したまま、本堂へ向かって一礼しその場を離れます。
神社とは異なり拍手は不要となるので注意してください。
お寺に入る時と同じように山門の敷居はまたいで出ましょう。お寺の外に出たら出たら、振り返り一礼します。
これがお寺の正しい参拝方法です。神社とは少し違うので、基礎知識を身につけて寺院巡りをしてみてくださいね。