もくじ
クリスマスはイエス・キリストの誕生を祝う日なので、お寺とは全く無縁の日……のはずですよね。
それではお寺でクリスマス会は絶対に開かれないのでしょうか?
今回はお寺のクリスマス事情について取り上げていきたいと思います!
■日本人がクリスマスを祝うこと
仏教徒の多い日本でクリスマスを祝うこと自体、おかしいと考える人もいるようです。しかし日本は昔から多くの神様を尊ぶ習慣があり、神道・仏教・キリスト教が混在した文化の国です。お正月は神社に初詣、お葬式は仏式、結婚式では教会・・・とても自由ですよね。節分の様に、クリスマスも宗教的な行事ではなく習俗として捉えている人が多いことの現れとも考えられます。
仏教信仰にしても、他の宗教に対してとても寛容的で「私は仏教徒だからクリスマスは絶対にお祝いしない」という人の方が少ないかもしれません。この寛容さが仏教においてとても重要なのです。
お釈迦様が仏教を説いた時、すでにたくさんの宗教で溢れていました。その中でお釈迦様は形として儀礼に参加するだけではその宗教を信仰することにならないと言っています。クリスマスにお祝いをしたとしても、本当にキリスト教を信仰していなければ問題はないということになります。
これは言い換えると心からの信仰がなければ仏教徒でもないということになります。仏教の教えに救われ、生き方の指針としていることが心からの信仰といえるのです。誰かのためにプレゼントをあげることも、その人を想っての行為であり、素晴らしいことです。クリスマスを楽しんでいても、仏教を心から信仰していれば問題はないのかもしれません。
■お寺とクリスマス
本来お寺は仏教を伝える場所です。お釈迦様の教えを説く僧侶がクリスマスだからといってパーティーを開いたり、プレゼントを渡したりはしません!・・・というのが表向きの意見。
これはお寺によっても考え方が違いますが、ご住職がプライベートでケーキを食べたりごく稀にクリスマス法要をしたりするお寺もあるようです。ツリーの代わりに菩提樹に飾りを着けるというユニークなお寺も存在しています。またお子さんがいらっしゃるご家庭では、プライベートでクリスマスプレゼントを渡すこともあるのだとか。
もちろんお寺だからそういったことは一切しないと子供に言い聞かせる方もいますし、何の行事もないお寺もたくさんあります。
仏教系の幼稚園ではクリスマス会をしているところもあります。ご住職がサンタの格好をしてプレゼントを配ることも・・・。
これは仏教の教えとして、他の宗教を批判せず仏様もキリスト様も友達でありお互いに理解し合う気持ちを、子供たちに持ってもらうために行っているそうです。
表向きは絶対にクリスマスなんて祝わない・・・のですが、ご住職の考え方によりクリスマス会を行う・行わないが分かれてくるというのが、本当のところのようです。・・・ちなみに、バレンタインデーやハロウィンのイベントを行うお寺もあるそうですよ!
■お寺ならやっぱり花まつり!
クリスマスを祝うのもいいですが、やはりお寺といえば4月8日の花まつり!
花まつりはお釈迦様の誕生を祝い、仏教の教えと出会えたことに喜びを感じるための日です。
花まつりの正式名称は灌仏会(かんぶつえ)。他にも宗派によって浴仏会(よくぶつえ)、仏生会(ぶっしょうえ)、龍華絵(りゅうげえ)などの別名もあります。クリスマスではケーキやチキンを食べますが、花まつりでは甘茶を飲みます。ユキノシタ科の植物「アマチャ」の若葉を煎じたもので、無病息災をもたらしてくれるとされています。
クリスマスのように派手なお祭りではなく、落ち着いた雰囲気でお祝いしましょう。